飛田穂州(とびたすいしゅう)著「高校野球入門」より
練習の苦痛に泣き言を言うような連中が野球を愛するという言葉を乱用してもらっては困る。
春の花にそむき、秋のもみじを忘れてグラウンドに走る心がけがあって初めて野球愛の資格が生ずる。
連日の練習に綿のごとく疲れた体を小走りにグラウンドに駆けつける熱烈さがあって、初めて野球愛を公言しうるのである。

練習が激しすぎるとか、多すぎるとか、試合数がどうとかというような連中が、いっぱしの野球愛を口にすることはこっけい千万である。
愛はあくまでも真剣でなければならぬ。真剣味というものは目的とするものは一つでなければならぬ。その一つに満身の愛をささげるのである。

2002年6月17日 掲載